かぐや姫

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「どんな事ー?」 美沙は与作の背中に声をかける。 それにしても険しい山道だな。固い土を踏みしめる度に体力は激しく奪われる。 相変わらず木や草もなく、土しかないが、濃い霧のせいでかなり見通しが悪い。 この険しい道が永遠に続く気すらする。 絶対にはぐれないようにしないと……。 「さっきも言った通り、山を登るのには、どんなに急いでも丸一日かかる。 普通なら。 不思議な事に気付いたのは、登ってる途中。 いくら足を進めても全く疲れないんだ。 まるで、かぐやに引き寄せられるように。 それどころか、段々と足は速くなり、山頂にはすぐに辿り着いた。 そこで……」 突然、話を途中で止めて、与作の体が止まる。 すると、こっちを振り返り口を開いた。 「疲れただろ?もう少しで洞穴がある。今日はそこで休もう」
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