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そんな悠長なこと言ってていいのか?
他の奴らは絶対に休まないで登り続けるぞ。
「いや、休むのは反対だ。山頂はまだまだだろ?せめて、山頂付近までは今日中に行きたい」
仁が与作の提案を否定した。
「大丈夫。慌てることはない。どうせ山頂に行っても、蓬莱の玉の枝は簡単には取れないさ」
それを聞いて、全員の表情が驚きに変わる。
「そんなに難しいのか?」
これまで真っ直ぐに歩いていた与作は、右斜めを向き、再び背中を見せて歩き出した。
「簡単じゃない。それどころか取れないかもな。だから取る奴がいるなら、どんな奴か見届けたいんだ」
「俺達はいいのか?」
矛盾とも言えるような与作の行動。
俺達を蓬莱の玉の枝がある場所まで、連れて行ってくれるんじゃないのか?
「一緒に居て、なんとなくわかった。本当に、お前らはかぐやと結婚するために蓬莱の玉を探しに来たんじゃないって。だから良いんだ」
与作はそう言って歩き続けた。
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