蓬莱の玉の枝

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あんな岩、本格的な登山経験がないと厳しい。 いくらかぐや姫が不思議な力を持っていたとしても……。空を飛ばない限り、不可能だ。 「勿論ある……」 与作は自信ありげに口を開いた。 ザーッと降り続く雨。与作の言葉はいくらか安心を与えてくれる。 「あそこ……」 与作は山頂の方角とは全く違う場所を指差した。 視線を向けると、そこには山頂のとは比べられないほど小さいが、岩が立っていた。 「あそこへ行けば、山頂へ辿り着ける」 あの岩から?そんな事ってあるのか? 「あの場所には、かぐやが作った秘密の入口があるんだ」 ゲームみたいだな。いや、ゲームか。 「それなら早く行こう」 二人で美沙を完全に立たせ、しっかりと肩で支える。 そして俺達は与作が指差した岩を目指した。
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