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冷え切った体。芯から凍えるように震えがきている。
早くログアウトしてえ……。
何度も思っているが、こんなのがずっと続くことを考えると鬱になりそうだ。
クリアの道なんか、本当に存在しているのだろうか?
与作が指差した岩までは、思った以上に早く辿り着いた。
俺達が見ていた方ではなく、裏まで回ると、与作は立ち止まった。
何の変哲もない、ただの岩。
人間二人分ほどの高さで、横幅も同じくらいだな。
そんな事を考えながら、与作を見ていると、岩の前で屈み込んで何かをやっている。
ガコン―
重々しい音を立て、何かが外れた。
見ると、岩の一部分が抜け落ちて、空洞になっている。
「この中に入って道を辿れば、ゴールは目前だ」
そう言うと、与作は岩の中へ侵入していった。
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