蓬莱の玉の枝

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俺は与作の次に岩の入口へ入った。 中は、ちょっとしたトンネルのように空洞になっている。 しかし、かなり薄暗い。普段から日の光を完全に遮断した道。 ほぼ真っ暗だ。 次に美沙が入り、はるか。最後に仁がこっちへ来る。 高さが頭ぎりぎりのため、若干姿勢を低くして全員が揃うのを待つ。 「よし。行こう」 広さは何とか二人なら、横に並んで進めるほど。 与作は一人で先頭を進み、俺は美沙に肩を貸して歩いた。 そう言えば、雨のおかげか、与作の服は今 綺麗だ。 農作業でそうなったのか、初めて会った時は土まみれだったのに。 そのせいか、最初に会った時と今の与作の印象が全然違う気がする。 この先に何が待っているのか……? 想像もつかない。 狭い平坦な道は、やがて少しだけ急な坂へ変わる。 ここまで来ると、視界は完全に暗闇に包まれていた。 足下が硬い。明らかに土の感触じゃない。 「もう少しで頂上だ」 美沙に肩を貸す方とは逆を使い、壁に触れながら、突き進む。 どうやら螺旋の形で岩を登っているみたいだ。 まさか岩の中に道があるなんて、普通なら思いつかないだろうな。まず、よじ登る事を考える。 「ねえ」 ふと美沙が声を出した。 「どした?大丈夫か?」 お互い姿は見えないが、肩を貸し密接しているため、不思議と会話に違和感はなかった。 「後ろに誰かいない?」
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