蓬莱の玉の枝

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「後ろ? はるかと仁がいるぞ」 姿は確認出来ないが、すぐ後ろには、はるかと仁の気配を感じ、同時に岩を鳴らす足音が聞こえてくる。 「違う。もっと後ろ……」 後ろには誰もいないはず……。目は暗闇に一向に慣れない。 視界に頼れない、音と感触のみの世界。 今この世界には、五人しかいないはず。 「怖いこと言うなよ……気のせいだよ」 音か……。 ふと思い出す、杏奈の名前。 こんな時、杏奈ならわかるかもしれない。 あいつ、ギターやってたからな。 耳が良いって言ってたような気がする。 久しぶりにアイツの歌が聴きたいな。 そんな時に視界に異変が起こる。 少し離れているが、光が暗闇を浸食していた。 「出口だ……」
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