1201人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
重たい瞼を持ち上げて、指でゆっくり目を擦る。
視界に映るのは眩い光。ではなく、薄暗い光景。
徐々に覚醒してくる脳。
何があったのかが蘇ってくる。
そうだ。寝ていたんだ。俺は。
確か……クエストをやっていて。
体を起こして、辺りを見回す。
俺の隣には美沙が仰向けになって、いびきをかきながら雑に寝ている。
その隣には、はるかがスースーと寝ていた。
与作と仁がいない。
そう思ったのは束の間で、洞穴の入口に視線を向けると二人はいた。
何か話ながら、外の様子を窺っている。
聞き慣れた、地面を無数に打ちつける 独特の音。
「起きたか。和也。そろそろ出発するぞ」
外は雨が降っていた。
最初のコメントを投稿しよう!