蓬莱の玉の枝

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重たい瞼を持ち上げて、指でゆっくり目を擦る。 視界に映るのは眩い光。ではなく、薄暗い光景。 徐々に覚醒してくる脳。 何があったのかが蘇ってくる。 そうだ。寝ていたんだ。俺は。 確か……クエストをやっていて。 体を起こして、辺りを見回す。 俺の隣には美沙が仰向けになって、いびきをかきながら雑に寝ている。 その隣には、はるかがスースーと寝ていた。 与作と仁がいない。 そう思ったのは束の間で、洞穴の入口に視線を向けると二人はいた。 何か話ながら、外の様子を窺っている。 聞き慣れた、地面を無数に打ちつける 独特の音。 「起きたか。和也。そろそろ出発するぞ」 外は雨が降っていた。
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