蓬莱の玉の枝

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それから……。 美沙とはるかを起こして、五分程休憩した後、俺達は洞穴を後にした。 「さ、い、あ、くー!」 勿論、傘なんかない。 打ちつけるように激しく降り注ぐ雨で、体はすぐに冷たくなる。 それによって、美沙はいつも以上に機嫌が悪くなっていた。 「何回か休憩しながら行くから頑張ってくれ」 昨日と変わらず先頭を歩く与作は、そんな美沙を気遣う。 普通に見てたら、与作みたいに、誠実で頼りがいがあって優しい男はなかなかいないんだけどな。 俺が竹ジイなら、かぐや姫の婿は、与作みたいな奴が良い。 しばらく進むと、所々に立つ岩に寄りかかり、チラホラ休んでいる人が目に入ってきた。 与作の言う通り、あそこで休んでおいて良かった。 雨に打たれながら岩に寄りかかる人達は、表情が青ざめている。
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