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「さっすが~!」
唐突に背中から美沙につつかれる。
思わずバランスを崩して、俺まで落ちそうになりかけた。
「危ないって!」
本当は、男を倒したのは俺じゃない。
「か、和也君、お疲れ様」
はるかが仁と一緒に俺の元へ歩み寄ってくる。
「ありがとな。はるか」
素直にお礼を。あの場ではるかに助けてもらわなかったら、俺は死んでいたかもしれない。
いや、あの流れだと確実に死んでいたな。
仁は、いつもの冷静な顔ではるかを見ながら、口を開く。
「本当すげえよ。やっぱり、はるかは長いだけあって、色々な能力を持っているな」
はるかは仁にそう言われ、少し照れた表情を浮かべ、顔を少し下に向けた。
「与作は?」
俺の質問に、はるかは与作の方を見て口を開く。
「もうすぐ起きると思うよ」
与作は離れた場所で仰向けで寝ていた。腹に刺さっていた矢は地に置かれている。
そうだ!早くしないと!
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