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涙が勝手に溢れてきていた。
気付けば、現実に戻っていた。
静けさが漂うクエストボックス内。
規則的なDIMの返却音が漂う。
ブラックライトが現実だと、実感させる。
いやここはまだゲームの世界だ。
「和也。これで良かったんだ」
後ろから仁に慰められる。
「そうなのか……」
俺はなんだか納得できない。
こんな終わりは納得出来ないんだ。
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クエストお宝プレゼント
頭脳を使いこなして馬を倒した“古手川仁”様には、ファインプレーとしてエンプティーインジェクションをお渡しします
DIMでご確認下さい
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なんだこれ?
「エンプティーインジェクションは、自分で考えたオリジナルの能力を使えるようになるんだ」
仁はDIMを機械から取り出して、確認しながら説明する。
「とは言っても使いこなせずに駄作って可能性も結構高い。だからそんなにレアじゃないし練習しないといけないからな。まあ俺はこれが欲しかったんだけど」
どことなく嬉しそうな表情を浮かべている仁。
落ち着いた後、俺達はクエストボックスを出た。
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