メビウスの輪

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アパートを背にして右に進み、閑静な住宅街を抜けると、駅前のロータリーに出る。 目的の場所は、前に紹介制度の説明を受けた あの喫茶店だ。 待ち合わせ時間よりも俺達は早く到着したため、お茶を飲んで待つことにした。 昨日からみんなで打ち合わせをして、ここに来るまで出した結論。 俺達は新撰組へ入隊することを決めた。 このまま何をしていいかもわからずにβl@ck★OUTをプレイするよりは、大勢プレイヤーがいるチームに所属し、本格的にゲームに取り組んだ方が良い。 無難な結論だが、それが一番正しい答えだ。 優君が来たのは、意外にもそれからすぐだった。 「久しぶり。早いね。和也君」 入口のドアを開けて、喫茶店に入ってきた優君は、俺達を見るなり優しい笑顔を浮かべて話しかけてきた。 その後ろには、見知らぬ男が二人いた。
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