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光と闇が混じり合う体。彼は、窓の枠に腰を降ろしたまま左腕を前に伸ばしました。
左側は闇が渦巻いている。
彼の手のひらと赤い四足獣は、対面に向き合う形になりました。
手のひらには、黒い光が集まり始め、輝きに包まれる。
私は音に敏感で、またその系統の能力も所持しています。周波数から考えて、きっと衝撃波ですね。
エネルギーの密度から考えると、凄まじい威力に違いない。
あんな赤いライオン、一撃でかき消されるでしょうね。
ああ。やっぱり魅力的です。過去にこんな人間はいなかった。
けど……。
手のひらに集めていた黒い光が、どんどん小さくなっていく。
同時に赤い四足獣は力を無くしたのか、巨大な地響きを奏でて崩れ落ちた。
私が既に倒しましたけどね。
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