潜入

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信長さんの表情も緊張感が無くなったのか、少しだけ和やかになり、それから口を開いた。 「あとは誘拐した奴を屯所にいるセスに殺してもらって、ひとまず準備は完了だな」 優君は頷いてから、DIMを取り出して電話をかけ始める。 「どういう事ですか?」 このわけがわからない状況に、仁が信長さんに疑問をぶつけた。 優君は、話し相手に「大丈夫だよ。お願い」とだけ伝えて、すぐさま電話を切った。 信長さんはニヤッと笑ってから説明を始める。 「誘拐は本当なんだよ。実際はここにいないけどな。仲間が一人消えなきゃ不自然だろ。予め、誘拐した後に奴らを呼び出したってわけだ。セスは潜入の作戦を知らねえけど みんなには内緒で保護だけしてもらい 指示が出たら殺して良い流れにしている」 よくわからないけど、複雑な作戦だ。何でそんな事をするのに意味があるのか? 考えてもわかるはずがない。こんなのが日常的に起こる中、本当に俺はやっていけるか不安に襲われた。 「この後は潜入しに行くんですよね?」 俺は確信的な質問を信長さんにしてみた。 「さっきも言っただろ。準備が整い次第、すぐに行くぞ」
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