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「出来ました!」
ふと五十嵐さんの声が聞こえ、視線をその方角へ向ける。
急いでこっちへ走って向かってくる五十嵐さん。両手を上げて、手には何かを持っている。
「――!」
俺は五十嵐さんが持った物を見て、ゾッとした。
五十嵐さんの手には、虫の抜け殻のような4人の顔のマスクが持たれていた。さっきまで生きていたはずの。
目玉がなく、それ以外に違和感があるのは皮膚が垂れ下がっていることくらいで、他はどう見ても あの4人の顔だ。
所々が赤く染まっている事から、引き剥がしたのかもしれない。
何でこんな物が潜入に必要なんだ……?
「きゃー!五十嵐さん!何それ!」
美沙は悲鳴を上げて、後ろに隠れる。
「さあ!皆さん!これを素早く被って下さい!それと五十嵐さんなんて恥ずかしいから やめてください!おじさんでいいです」
五十嵐さん……いやおじさんは、人間の皮膚と頭髪が生々しい赤い液体がついたマスクを差し出してきた。
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