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「ほら。ほら。早く」
グイグイと強引に差し出してくる。
被れって言われたって。こんなの……。おかしいだろう。どうしても躊躇してしまう。
「早く被れ」
あたふたと慌てている俺達を横目に見ながら、信長さんはおじさんからマスクを一つ受け取り、甲冑を脱いでからそれを頭に運んだ。
そのまま信長さんは躊躇う事なく、頭からマスクを被る。
よっぽど俺が不安げな表情を浮かべていたのか、優君が横から優しげな表情で話かけてくれた。
「五十嵐さんの能力は変装能力なんだ。このマスクは五十嵐さんしか作れない。色々と条件はあるんだけど、簡単に説明するとマスクを被れば、その人になりきれるんだよ」
「へえ」
仁はその話を聞いて納得したのか頷きながら関心していた。
そういえば、この前のかぐやのクエストで仁は能力を作り出せるアイテムみたいなのをもらってたよな。あれ、どうしたんだろう。
いっそ、ブラックアウトを一瞬でクリアしてしまう能力が作れればいいのに。
信長さんに視線を向けると、異変を感じる。マスクを被り、前に屈みこむ姿勢。巨大な体は徐々に縮まり始めた。
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