潜入

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頭の上から真下に降ろし、ゆっくり視界を覆わせていく。 マスクが触れると、何とも言えない不快感がした。 ぬめっとした柔らかさに加え、皮膚に吸いつくような感覚。 βl@ck★OUTの器具に似ている。 「うわっ」 吹っ切れて、マスクを完全に降ろすと不快感は増す。 顔の周り全体がぬめりを感じ、なのに吸いついてくる不思議な感じ。 これは耐えられるけど、問題は匂いだ。 生臭い鉄の匂いがマスク中に籠もっている。 これって、もしかして……。 考えると、ゾッとする……。 体全体に違和感があるが、何が起きているんだろうか? 信長さんのように骨格が変わっているようには思えない。 「和也君。もう大丈夫だよ」 優君の声が聞こえ、体が反応する。 どうやら、いつの間にか目を瞑っていたようだ。 優君を見た後、周りを見渡す。 仁は別の人間になっていた。 美沙とはるかは俺達を変な目で見ている。 俺は自分の手を見た。ゴツゴツとした 見慣れない手のひら。 やっぱり違う誰かになっているみたいだ。 『面白いな』
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