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光刀の声がいつも通り、心の中で響き渡る。
腰に視線をやるが、あるはずの光刀は消えていた。
どこに消えたんだ?
『どうやらこのマスクは、殻のような役割をしているみたいだ。私は変装した体の内側にちゃんといるよ』
なんか不思議だな。
優君の炎みたいに攻撃的なのや、はるかの治療の能力もあるが、また別の感じがする。
最後におじさんがマスクを被り、とうとう準備が出来た。中年太りのおじさんから考えると、かなりスッキリした体形に変わる。
「さて。じゃあ 行くか」
信長さんであろう、細身の20代半ばくらいの男が俺達を見渡した。
声までも変わっているのか。
「あ あ あー」
試しに発声してみるが、自分の声なのに他人の声が口から出ていくような不思議な感じだ。
おじさんであろう短髪の爽やかそうな童顔の男は、真剣な表情で口を開く。
「私はその気になれば永遠に変装してられますが、あなた達の場合は24時間だけです。その時点でマスクが破裂し、変装は一瞬にして解けます」
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