三国志

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「確かに侮れないなあー。インジェクションの発動を肌で感じとれたからねー。他の奴等が逃げちゃうけど、周りの危害を考えて抹殺最優先で動いたからねー」 曹操が鷲掴みにする髪の毛をさらに強く掴むと、髪は逆立ちしながら暴れ、狼の耳と尻尾へ変化する。 そんな気配を肌で感じるこいつは、やっぱり化物だ。 しかも結果的には、敵に何もさせずに終わらせているわけだ。 「もういいよ。曹操。解放してやれ」 神の命令に従い、曹操は掴んでいた髪の毛を離した。 俺はそのやり取りを茫然と見ている。 ついこの前まで、俺達は神を遠くで見ていた立場だった。 今までは三国志が神と四大元素の仲介役をしてくれていたからな。 土神が死んだことに加え、戦争が近づいてきたことで、やっと会議内のみで会う機会が出来た。 とは言ったものの今、現在も輝く布を全身に纏い、俺達に姿は見せてくれないけどな。 室内には重たい威圧感がある声が轟く。劉備だ。 「正式な新ルールの発表はもうすぐだ。それまで出来るだけ多くの新撰組の隊士を潰しておくか?」 それに対し、すぐさま孫権が割って入るように口を出した。 「それは得策ではないよ、劉備。君の小さな細胞では考えられないような事態になりかねない」 沈黙が続いた時、神がそれを破った。 「やっぱり、ヒカルが欲しいなあ」
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