試練と休息

12/26
1125人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「これは俺と美沙がやろう」 発言をしてから、美沙を見ると、コクリと頷く。 優君は少し驚いた表情で答えた。 「和也くん。遠距離攻撃が使えるんだね。じゃあちょうど良いかな。桃太郎クエストの時、鬼ヶ島で見た仁君の鎌は攻撃力が長けていると思ったからね」 優君は最後に地図の中央上にDと書き込んだ。 「Dは距離が一番遠い。だから弱っているところをスピーディーに一撃で決着をつけてもらいたい」 確かに仁の鎌の攻撃は強烈だ。使用時に手が白骨化するのが気になるけど。 「あとフィールドには車は設置されていない。だから走るしかないんだ。勿論、空を飛べるアイテムがあれば速いけどね」 優君に頼りっぱなしだが、本番はそうはいかないんだよな。やっぱり不安だ。 「本当は見本を見せてあげるのが一番良いんだけど一度クリアすると挑戦出来ないから、僕はもう無理なんだ。ちなみに新撰組内では、このクエストのタイム記録がある。一人で挑戦した人だけね」 「優君は何秒だったの?」 当たり前のように優君は一人で挑戦したような気がした。 「僕は72秒だよ」 1分12秒……、一体どうやったら、そんなに早く決着つけられるんだ……。 「一番早い人はいくつですか?」 仁はこういう事に、本当に積極的だ。 「8秒」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!