試練と休息

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二日目。同じく新撰組屯所の会議室。優君は、さらに詳しい地図を用意してくれ、それぞれのルートを説明してくれる。 「もしはるかさんが巨大網を投げることに失敗した場合は、和也君と美沙さんが次に投げてもらう。それも失敗したら、最後に仁君へ。全員に巨大網は持っていてもらう」 優君の説明を俺は必死に頭に叩き込んだ。 三日目、四日目は優君は外出禁止のため、一緒には行けないがそれぞれのルートをみんなで実際に歩きに行く。 A地点からドラゴンがいるであろう場所へ。次にB地点から同じ場所へ。これを繰り返し、それぞれのルートを体で覚える。 建ち並ぶビル。大通りや狭い路地。目で景色を覚えることも忘れない。 段々と時間が足りない気がしてくる。本番は七日目だ。 五日目。優君は俺達に実際のドラゴンと対峙した時の行動を指示した。 やばい。自分がやるべきことをしっかりやらなくてはいけない。 優君は言った。 「これだけやれば、大丈夫なはず。六日目はログインせずにゆっくり休んだ方が良い」 確かにルートは覚えた。家にいる間も歩いた景色を何度も思い出していた。 本当に大丈夫なのだろうか? 休んでいる暇などあるのだろうか?
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