試練と休息

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部屋に優君達が入ってきた後は、セスさんとおじさんが土方さんに事情を話し始めた。 少しだけ心は落ちつき始めた。俺を含めた全員が真剣に耳を傾ける。 土方さんは黙ったまま真剣な表情で話を聞いていた。 計画を立てた話から始まり、潜入の話へ。 セスさんとおじさんは隠しきれないと悟ったのか、思惑から行動まで、ありとあらゆる細かい話を包み隠さずした。 優くんの瞳が悲しみで満ち溢れていた。 「いざという時のために、切り札を用意してました」 そして、おじさんは肝心の集会での出来事の最後を話し始める。 「セス組長の能力、ブラックカーテン。その位置から特定の電波を放てば、半径20m以内にいくつもの扉を開放できます」 どうやら土方さんはセスさんの能力を知らないようだ。勿論、俺もそんな能力は知らない。 「私が判断したのは、一刻も早い脱出。少しでも多くの仲間を助けること」 「信長は既にあの時、死を悟っていた★なにより信長のおかげで敵の殺意が一点に集中したんだ。自分の役割をわかっていたのかな。どう考えても、間に合う状況じゃなかった。下手にカーテンを開けていると、敵が侵入してくる事態もありうる★信長以外の救出。それしかなかった」
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