試練と休息

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逃げ惑う強き存在。逃げ惑う強き存在。 心の中で復唱してしまう。多分、おとぎ話系のクエストではない。 これまでにいくつか、戦闘を行わなくても良かったクエストはあった。 感じとれることは、名前からして戦わなければいけないことだ。 「ここから一番近いクエストだから、新撰組のメンバーは全員がクリアはしている。四人までだから、勿論、一人じゃなくてもいい。お前らにはちょうど良い人数じゃないか。期限は1週間以内だ」 土方さんはドアを開けて、部屋を出て行こうとする。 「しっかり総司にクエスト内容を聞いておくんだな」 扉はゆっくりと閉まった。 今の…………。最後の言葉。意外に優しかった気がするのは気のせいだろうか? まだ心にかかった恐怖が取れないまま、また次の試練が襲いかかってくる。 常に湧き出てくる問題。そんな生活に嫌気がさしていることは間違いない。 俺の心は弱いままだ。きっと。 だから。たまにはこの暗い雰囲気を壊してみたくなった。 「よし!クエスト頑張ろう!」 とりあえず笑っておいた。                                                 
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