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あらかじめ優君に連絡して、何事もなく屯所に辿り着く。かぐや姫クエストに行った時のようにならないことを切に願っていた。
あれから美沙とはるかは昨日の事件のことは、何があったのか訊かないでくれている。
美沙はいつも通り明るく振る舞い、俺にはそれがとても気が楽で、車中では笑うことさえできた。
警報が鳴っても解除するからということで、屯所にはそのまま直行し、優君は地下の駐車場で出迎えてくれた。
エレベーターに乗り、以前行った会議室に通される。
優君も昨日のことについては何も話さなかった。
全員が席に座ると、優君は口を開く。
「昨日のクエスト。レベルは高いけど、一週間あれば、なんとかなると思う」
「どんなクエストなんですか?」
仁が優君に訊いた。
「クエストのフィールドは東京駅周辺。僕達の領土とほとんど同じ広さで、同じフィールド。挑戦して失敗すると一週間、クエストが出来なくなる。チャンスは一度しかない」
優君は立ち上がり、ホワイトボードにペンで小さな丸を四つ書き込んだ。
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