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「わ、私も話さなきゃいけないことがあるの……。このクエストをクリアしたら……話したいことが」
仁と美沙は、はるかの様子を見て何かを感じとったようだ。
「もしかしたら、みんなは私が怖くて、嫌いになるかもしれない……。だけど、友達だから話したいんだ」
今までよっぽど思い詰めていたのか、はるかは目に涙を浮かべた。
弱々しい表情は、女の子そのもので。
瞳は純粋な色に満ち溢れている。
「嫌いなんてならないよー」
美沙ははるかの背中を触り、そっとなだめた
「はるかは友達じゃん。何があっても嫌いになんてならないから。怖がらなくていいんだよ」
昨日、俺が言った事と美沙は同じ言葉をはるかにかけた。
仁は黙ったまま、美沙とはるかを見て頷く。
「あ……りが……とう」
泣きじゃくる はるかの背中をさすりながら、美沙は大丈夫という言葉を繰り返した。
「始めよう」
はるかがDIMを機械に入れ、次に俺と美沙が放り込む。最後に仁が入れた。
時間は正午ぴったり。段々と歪む視界。慣れてきたこの感覚。
新撰組に入って、新しい道を開くために。
クエストが始まる……。
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