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クエストボックスの中に入ると、見慣れた光景が視界に映し出された。
暗い部屋にブラックライトが照らされ、奥の壁には機械が設置されている。
全員が入ると、仁が機械を操作し、俺達は後ろから見守る。
仁は画面に触れながら、口を開いた。
「俺ちょっと前に、みんなに内緒で一回だけクエストに行ったんだ。難しいクエストとかじゃないけどさ。散々、何のクエストが良いか調査して。クエストに先客が居たりとかして、その時思ったんだけど本番って何があるかわからないんだよな」
そんな事があったんだ。寧ろ、よく何もなかったと安心する。
「だからさ、何があっても臨機応変にいこう。慌てずに、冷静にさ」
「全くー。仁は秘密が多いよー」
美沙は仁に文句を言いながら、ふてくされた顔をした。
「よし。準備完了だ。あとはDIMを入れるだけ」
仁が振り返り、親指で機械を指差す。
「み、みんな!ちょっと聞いて欲しい事があるの!」
DIMを入れるために取り出した時、はるかは呼び止めるように声を出した。
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