制限時間500秒

4/26
952人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
「わ、私も話さなきゃいけないことがあるの……。このクエストをクリアしたら……話したいことが」 仁と美沙は、はるかの様子を見て何かを感じとったようだ。 「もしかしたら、みんなは私が怖くて、嫌いになるかもしれない……。だけど、友達だから話したいんだ」 今までよっぽど思い詰めていたのか、はるかは目に涙を浮かべた。 弱々しい表情は、女の子そのもので。 瞳は純粋な色に満ち溢れている。 「嫌いなんてならないよー」 美沙ははるかの背中を触り、そっとなだめた 「はるかは友達じゃん。何があっても嫌いになんてならないから。怖がらなくていいんだよ」 昨日、俺が言った事と美沙は同じ言葉をはるかにかけた。 仁は黙ったまま、美沙とはるかを見て頷く。 「あ……りが……とう」 泣きじゃくる はるかの背中をさすりながら、美沙は大丈夫という言葉を繰り返した。 「始めよう」 はるかがDIMを機械に入れ、次に俺と美沙が放り込む。最後に仁が入れた。 時間は正午ぴったり。段々と歪む視界。慣れてきたこの感覚。 新撰組に入って、新しい道を開くために。 クエストが始まる……。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!