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クエストの詳細が頭の中で流れると、視界はどんどん明るくなっていく。
いよいよだ。B地点担当の俺は、いきなり大通りに立っているはずだ。
眩しい太陽の陽射しが、地面を照らしている。雲一つない快晴の空。
視界は開けていく。
『スタートから本気で走れ』
心の中で、すぐに動けるように意識する。
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制限時間 500秒
スタート5秒前
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まるでF1のレースが始まるように、カウントダウンが始まった。
体は固まったように動かない。
なるほど。0になると動けるようになるのか。
4秒前。3秒前……。
深呼吸を繰り返し、緊張した心をほぐしていく。
一度、瞑った瞼を開けると景色は完全に形成されていた。
六車線の国道の中心地に立っている。道の脇に立つ建物は、ここ一週間で見慣れた物ばかりだ。
予定通り、優君が教えてくれた位置と全く同じ。
2秒前……。
目的に向かって、全力で走る。
俺は遠距離から攻撃をすればいい。
1秒前。
『気合いを入れろ!』
わかってる!行くぞ!
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クエストスタート
残り時間 500秒
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俺は地を蹴った!
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