制限時間500秒

9/26
前へ
/26ページ
次へ
ズドドドドン! 直後、激しい破壊力を目の当たりにし、凄まじい地響きと共に粉塵が吹き荒れる。 俺は反射的に左腕で顔を隠した。 初めに鋭く光る巨大な白い牙が目に入ってきた。緑色の硬そうな鋼の肉体に太く長い尻尾。 広い通りの中央に、雄叫びを上げながら、構えている。 あれがドラゴン……! ビルの三階まではありそうな肉体は、俺から見れば化物にしか見えなかった。 尻尾はビルを突き破り、路上には瓦礫の残骸や硝子が散りばめられている。 およそイメージ通りの姿は、より恐怖感を高めた。 違う。動揺をしているのは別の理由だ。 ドラゴンは怒り狂ったような憎悪を感じさせる瞳で、どこかを見ている。 自由に動いているドラゴン。 巨大網に捕らわれている様子はない。 失敗した? いや……。 見渡す限り、はるかがいない。 ドラゴンの遥か向こうからは美沙が姿を現した。 『まずいぞ』 わかってる! (残り時間 375秒)
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

952人が本棚に入れています
本棚に追加