戦争のルール発表

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どす黒く光る瞳の奥に潜むのは、底が見えない絶望を宿した復讐の眼差し。 ブラックアウトの世界では、恨みを持った奴は数えきれないほど存在する。 紹介制度からのいざこざや、急襲されて全てを失った人間、また大切な人を失った人間。 そんな人間を俺は数多く見てきた。 「必ず見つけ出すんだ。はるかを殺した奴を……」 これほどまでに、強い憎しみを抱いた瞳を持つ人間は見たことがない。 過去に何があったんだ? そもそもこんな奴、新撰組にいたっけ? 和也と呼ばれた男は画面を食い入るように見つめていた。 新しい奴だろうな。きっと……。 《さてさて、肝心の話を忘れていたにゃ。対抗戦はチーム以外のプレイヤーも参加する事ができるにゃ。 戦争の地へ飛ばされるプレイヤーの対象は、まず対抗戦でのチームに所属するプレイヤー。これは強制的。 それともう一つ。移動する建物の中にいるプレイヤーも対抗戦の場へ強制的に移動させられるにゃ。わかるかにゃ? 例えば、他のチームとの争いなどで、捕虜として領土内の建物の中に捕まえていた人間がいた場合、一日前に建物は戦争の地へ移動するから、その捕虜も運ばれることになるにゃ》 難しい……。どうせあとでミラが説明してくれるだろう。
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