炎神とヒカル

3/14

1196人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
神が気に入る人物か。 『見ろ』 「ああ」 良く見ると、洞窟の奥の方からはうっすらと灯火が見える。 俺が近づいてきた事はわからないのか? 随分と無用心だな。気付いてはいたけど、領土も何もなし。 ただ単に洞窟に拠点を構えているだけ。 俺は暗闇に足を踏み入れた。 僅かに見える灯火を頼りに、足を進めていく。 『不気味だな。普通ならこの位置まで近づけば、気づかれてもおかしくない』 だよな……。俺、自分で強いって自信があるけど、内心びびってるよ。 『待て……』 反射的に足が止まった。 視線の先の灯火が動き、こっちに向かってくる。 俺は光刀の柄を掴み、万が一に備えて警戒した。 『殺意は感じないな』 待っている時間で極度に体が緊張を感じ始める。 このスリルあって、ゾクゾクする感じがたまらないわ。 やがて灯火はすぐそこまで辿り着いた。 メラメラと燃え上がる炎。松明だとわかる。 俺は息を飲み、向こうの反応を窺った。 すぐに向こうが口を開く。 「炎神だな?」
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1196人が本棚に入れています
本棚に追加