1196人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
俺を知っている……?
「悪いな。外で話そうか」
洞窟内に響き渡る声は、男だと認識させた。
松明を持った男は、そのまま俺の横を通り過ぎると、出口へ向かって歩き始める。
この様子……。明らかに俺が来る事を知っていたのは間違いない。
待ち構えていたに等しい状況だろう。
神か三国志が連絡を入れたのか?
それなら俺、来る必要ないじゃん。
無意味バカってやつじゃん。
その可能性は低いと考えられるだろう。
でも、何で俺が来ることや名前を知っているんだ?
わからねえ。つうか来る事がわかってるなら、洞窟に入る前に出てこいって話なんだよ。
緊張しながら入っていった俺が阿保みたいじゃん。
『ヒャハハハハハハハハハハハハハ!』
ん?何だ、今の不気味な笑いは……。
どこからだ?
狂ったような恐ろしい雰囲気を醸し出す高笑いの声。
『ヒャハハハハハハハハハハハハハ!こりゃ驚きだ!光刀を持ってるぜ!』
洞窟の出口手前。太陽の光が照らされた地面。
男は光を浴びながら、その場で立ち止まり、振り返った。
「お前。光刀を持っているのか……」
最初のコメントを投稿しよう!