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「神刀って名前の刀だ……知ってるか?」
男は鞘の部分を握り、目の前に刀を差し出してくる。
俺は声を出さずに首を横に振った。
「だったら知らない方がいい」
感じわるっ!
ただ……。そんな冗談はともかく……一瞬で汗が流れ落ちた。
見ただけで寒気が走った。あの刀はヤバイ雰囲気プンプンだって。
例えるなら危ない取り引き現場で、拳銃を見せられたような気分だ。
光刀が俺に語りかけてくる。
『あの刀……明らかにとんでもない力を秘めてるぞ……』
男は、再びローブの中に刀を仕舞い込む。
気に食わねえ野郎だ。
これが神が気に入った人物?
ひたすら気に食わねえ。
「あんたがヒカルだよな?戦争には参加してくれるのか?」
重要なのは、そこだ。今は俺の私情は挟まなくていいんだ。
「んー。戦争か……」
「神はヒカルが戦争に参加さえしてくれれば、何でも良いと言っていた」
男は顔を上げて、笑ってから口を開いた。
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