1037人が本棚に入れています
本棚に追加
新撰組の象徴的な存在だと思っていた浅葱色の羽織ではなく。
マイクを持つ男は目に焼き付くような深紅の羽織を纏っていた。
3mは越しているであろう大きな体。目の前に立つ男と比べると小さく見える。
鬼ヶ島で見た鬼と、大して変わらないじゃないか。かぐや姫のクエストで戦った山の男よりは、明らかに大きい。
正直、壇の上に立つ必要性は全くない。
おそらく能力を使っているに違いない……。
あんな大きな体……。
思わず、飲み込まれてしまうほどの迫力感。
小さく見えるマイクを持ちながら、局長は喋り続けた。
「その戦いに我々は挑む。その先に待つのは長きに渡って続いた終わりへの道標。これで終わりじゃない。この先を乗り越えてこその終わりだ」
局長の言葉に一気に歓声が上がる。
そうだ。この戦いに勝って、メインストーリーに挑まなくちゃいけないんだ。
「全員が意識してこそ生まれる。本当の勝利はそうやって掴むものだ」
これが局長……。一言、一言に重みがあり、胸に直接、呼び掛けられてる気がする。
「俺達は新撰組だ」
最初のコメントを投稿しよう!