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重たい瞼を持ち上げると、霞んだ視界に眩しい光が侵入してくる。
蛍光灯の光ですね。わかります。
私は凄まじく重たい体を持ち上げた。
羽織のポケットからDIMを取り出して時刻を確認すると、15時ちょうどだとわかる。
「意外と早く起きてしまいましたね」
もうすぐ集会が行われます。何しろ今日はいよいよ戦場の地へ移動する日ですからね。
そのためにこれから全員で集まって、意識を高めようというわけです。
局長の言葉は胸に響きますからね。
昨日は珍しい体験をしました。画面に並ぶ数字が揃うと沢山の球が出てくる遊びなんですが、あとから目が飛び出るほどの金額を別の場所で頂きました。
あれは馬が走るゲームより楽しいかもしれません。
狭い世界から飛び出た蝶は、どんどん新しい知識を取り込んでいます。
「はあー」
大きなあくびを一つ。その後は久しぶりに豪遊しました。
綺麗なお姉さん達と浴びるほどお酒を飲んで、寝過ごしてはいけないとログインしてから屯所の自分の部屋で寝たのです。
私の部屋は96階。
空に近い階から見える景色は、見下ろす形になる高層ビル群。
空気を入れ換えるために窓を開けた。
「明日から戦争か……」
視界には果てしない荒野が広がっている。
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