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そんな事を考えていると、局長は机の上のリモコンを取りスイッチを押した。
新撰組屯所、最上階のこの部屋は、少し特殊な作りとなっている。
というよりは、チーム対抗戦のためにリフォームしたと言った方が正しいですね。
プラネタリウムのように壁全体が半球を描いた形となり、外側だけ硝子張りになっている。
局長がボタンを押した事により、激しい機械音を轟かせ、天井から硝子張りの部分が徐々に開き始めた。
強烈に吹き込んでくる風は、目覚めたばかりの私の肌を冷やす。
「よし。良い出来だ」
土方副長は、作動した仕掛けに満足そうな表情を浮かべました。
確かにカッコイイですね。
硝子はどんどん開いていき、吸い込まれていくように、とうとう床の中へ消えてしまった。
大きな窓と思えば、良いのです。
先程まで吹いていた風は嘘のように静まり、逆に暖かくなる。
そっちもうまく作動したようですね。
100階の高さから眺める景色は、圧巻としか言い様がありません。
局長はここから外の様子を窺うわけです。交代しろ。
「卑弥呼の結界もうまく作動したようだな」
そう。窓が開くと同時に、外には卑弥呼さんの結界が張られる仕組みとなっている。
この結界はやっかいですからねえ。
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