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戦争のために卑弥呼さんが月日をかけて張った結界ですからね。
おそらくここからの侵入は不可能でしょう。
「相手は25000人でしたっけ?」
私は素朴な疑問を土方副長に向けて聞きました。
「そんなに多くねえよ。約2500人だ」
「随分、少ないんですねえ」
「こっちは250人だけどな。向こうは一位のチームなんだ。侮るなよ」
「わかってます」
局長は背後から片手で私の両肩を掴んだ。
本当に相変わらずの巨体ですね。
「お前は攻撃担当なんだ。しっかり頼むぜ」
勇ましい声で局長は高らかに笑った。
「勿論です。私の狙いは“神”のみですから」
そう。狙いは神だけで良い。
三国志の一人を先に倒す作戦が流れてきましたが、そんなつまらない方法はとりません。
狩りを行うのは、大物を仕留めるからこそ意味がある。
「開戦前にちょっと用事があるから済ませてくる」
そう言うと、土方副長は部屋の出口へ向かった。
「デートですか?」
「違う。隊士からの呼び出しだ」
「へえ」
まあどうでもいいですけど。
私は薄暗い夜の荒野に潜む敵のアジトを見据えた。
早くあそこに行きたいなあ。
心の中はワクワクしていた。
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