開戦

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「いいか!?誰かが神を倒さなければいけない!」 「「「「「オォォオオオ!!!」」」」」 局長の言葉に凄まじい歓声が荒野に響き渡る。 「しかし、神を倒した奴が勇者ではない!」 空に響き渡る歓声の雨。 「メビウスの輪に勝った時は全員が勇者なんだ!」 やっぱりすげえな。心が奮い立たせられる。 「仲間を裏切るな!  躊躇するな!  阻む敵は躊躇いもなく倒せ!」 局長の体の中から生み出される声は、200人以上が出す声を飲み込むほどの大きさで轟いた。 「いつか全てが終わるその時に向けて!新撰組は倒れない!」 両隣の仁と美沙を見ると、真剣な表情で、瞳には間違いなく闘志が灯されていた。 「いくぞぉお!」 「「ォオオォオォオ!」」 《対抗戦まで20分》 荒野には、アナウンサーのような聞きやすく美しい女性の声が、放送で響き渡る。 開始までの残り時間。 こうして俺達は自分の持ち場へ散った。 『無理はするなよ』
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