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声から感じるのは明らかな嫌悪感。
何だ?これは?
絶対にどこかで過去に聞いたことがある声だ。
「集中しろ」
後ろを振り返ろうとした最中、横にいる男に拳骨で頭のてっぺんを殴られる。
「いだッ!」
軽くならまだしも、両手で頭を押さえ、身を屈めるほどの強い力で、殴りつけてきやがった。
《開始まで残り二分》
「それぐらいで痛がるな」
頭上から野太い声が浴びせられる。
『大丈夫か?』
あまり大丈夫じゃないかも……。
でもおかげで緊張感は吹き飛んだ。
『そうか。最終確認だ。』
《開始まで残り一分》
『とにかく多人数の敵と接触したら逃げ回れ。君の実力を考えてな。戦うのは一対一の時のみ。それも囲まれないように、周りに他の敵が来ない場所まで誘導してからだ』
わかってる……。命は一つしかないんだ。無茶はしない。
光刀と対話をした後、残り何秒で始まるかもわからない中、俺はやっぱり気になって後ろを振り返ってしまった。
「──!」
あいつは──!
《チーム対抗戦開始です!》
同時に開戦の火蓋が切られた!
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