柳生十兵衛

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ガッキキキィイイイン 鈍く重たい金属音が大聖堂内で響き渡った。 予想はしていたが、どうやら扇子は、盾のように硬いらしい。 音が鳴ったということは、孫権が正面からの突きを防いだことを意味する。 時間を空けることはなく、次に左右からの斬撃が襲いかかるはずだ。 あの扇子の能力がわからない以上、敵に何もさせてはいけない。 能力が使わせずに敵を倒すことは、最も優秀な勝ち方だと我輩は考える。 次々に鳴り響く金属音。 孫権は扇子を巧みに使い防ぎ、また自身の体を動かして我輩が設定した斬撃を器用に避ける。 その間、我輩は孫権との距離を一気に詰めた。 移動しながら、次の手に備えて刀を振り、能力の設定を行う。 我輩は命力を能力の限界まで注ぎ込み、一の斬撃の威力を最大にした。 全ての斬撃防いだ孫権との距離は、まさに目の先。 我輩は構えた刀を振り下ろす。 避けられなければ、それで成功。 防ぐことに集中していた孫権は、当たり前のように扇子を我輩の目の前に運び、防御に徹した。 威力は何tにも値する。 これには堪えられないはずだ。 刀と扇子が接触すると、凄まじい音が轟く。 確かな手応えを感じ、孫権の体は空を飛ぶように宙を舞った。 「はあはあはあはぁ」 どうやら我輩、呼吸をすることを忘れていたらしい。
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