柳生十兵衛

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実力、潜在能力、センスなどを総合的に考えれば、組長達の中でもトップレベルに入るだろう。 しかし、牛若丸はまだ若い。 守備部隊に回したのは土方殿の気遣いだろう。 攻撃部隊では状況によっては、自分の命を犠牲にしても敵を倒さなければいけない。 それは守備部隊でも同じことを言えるが、攻撃部隊の方は明らかに生存率が低い。 誰もが知らないふりをしている。 お前が亡き信長と親しくしていたのを。 本当は誰もがお前が攻撃部隊に入り、三国志の曹操を討ちたいと願っているのを知っている。 『あいつ、まだ若いだろ?俺は心配なんだよ』 渋い顔をしながら、奴がそう呟いていたのを思い出す。 我輩も忘れはしない。 信長と日本酒を酌み交わして、朝まで語り明かした過去を。 牛若丸。攻撃部隊に回さなかったのは皆が優しいからだ。 心配するな。信長の仇は必ずとるから。 「全員直進。沖田の隊に合流し、その後は伊達の隊につき援護しろ。我輩は先をゆく」 「柳生組長は!?」 「我輩は針の隙間の小さなカラクリから侵入を試みる」
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