柳生十兵衛

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先に総長がアジトに侵入したが、もしかして無駄だったのかもしれない。 何故か? 普通にアジトの正面から侵入しても神がいる場所へは辿り着けないからだ。 それは疑問から確信を得る瞬間だった。 しかし、答えを確かめるまで、安易な情報は新撰組全体の混乱を招くことになりかねない。 報告は、それを確かめてからだ。 巨大な鋼鉄の上半身ポセイドン。その陰には全面に鏡が張り巡らされた天空を突き破るほどの塔。 これがアジトだ。 我輩はメビウスの輪に侵入した話を聞いた時から、勘ぐっていた。 アジトの更に後ろには、写真で見た大聖堂が隠されている。 フライシューズのエンジンを切り、その前に我輩は降り立った。 五十嵐の話では、神達は大聖堂の奥から現れたような気がすると聞いていた。 疑問に思ったのはその時だ。 普段は最上階にいるはずの神が、入口から入らずにどうやって? 勿論、能力の可能性もある。 だから仮定だったのだ。 チーム対抗戦では領土内の建物は一つしか移動しないと言っていた。 新撰組にも屯所以外に倉庫などに使う建物が、領土内にいくつかある。 やはり、それらはチーム対抗戦ではこの戦場に移動することはなかった。 それがメビウスの輪はしっかりと離れているはずの大聖堂が移動している。 つまり、答えはこうだ。 この大聖堂は神がいる階へ繋がっている。 我輩は大聖堂の扉を開けた。
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