柳生十兵衛

10/17
前へ
/33ページ
次へ
一体、どれほどの命力を蓄えているんだ。 暗がりの中、我輩は敵を見逃さないように注視した。 「私があなたを危険視していたことは知らないはず。それが好都合」 孫権の体からは、命力が溢れでる。 我輩を知っているようだな。 見たところ武器は持っていないようだ。 やはり能力を使っての戦闘タイプか。 我輩は、腰に差した刀の柄に手を伸ばした。 「新撰組一の剣士。柳生十兵衛。全ての物体の真実を斬ることは、あまりにも有名。そのせいか、あなたがいち早く神の部屋へのトリックを見破り、ここへ辿り着くことを、私は何となく予想していました」 やはり神の部屋への侵入部はこの奥から……。 我輩は刀を鞘から抜きながら、口を開いた。 「大した自信だな。我輩を警戒しているわりには余裕に見えるが」 何系の能力なのか? 敵の能力を早い段階で知り、対応を考えることも大事だ。 「さあて。柳生さん。始めましょうか。私とあなたが深く知り合うにはあまりにも短すぎる」
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1047人が本棚に入れています
本棚に追加