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一体、どれほどの命力を蓄えているんだ。
暗がりの中、我輩は敵を見逃さないように注視した。
「私があなたを危険視していたことは知らないはず。それが好都合」
孫権の体からは、命力が溢れでる。
我輩を知っているようだな。
見たところ武器は持っていないようだ。
やはり能力を使っての戦闘タイプか。
我輩は、腰に差した刀の柄に手を伸ばした。
「新撰組一の剣士。柳生十兵衛。全ての物体の真実を斬ることは、あまりにも有名。そのせいか、あなたがいち早く神の部屋へのトリックを見破り、ここへ辿り着くことを、私は何となく予想していました」
やはり神の部屋への侵入部はこの奥から……。
我輩は刀を鞘から抜きながら、口を開いた。
「大した自信だな。我輩を警戒しているわりには余裕に見えるが」
何系の能力なのか?
敵の能力を早い段階で知り、対応を考えることも大事だ。
「さあて。柳生さん。始めましょうか。私とあなたが深く知り合うにはあまりにも短すぎる」
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