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「──!」
あれほどの威力。
我輩の中では一番の攻撃力を誇るはず。
孫権は攻撃によって吹き飛んだ。
数秒前は確かにそう見えた。
しかし現在、宙に浮かんだでる孫権は、我輩の攻撃を受け流すためとしか思えないような振る舞い。
衝撃をものともせず宙に舞った孫権は、ゆっくりと地に足をつけた。
その姿は、華麗に舞う白鳥のように地に降り立つ。
こんなに差があるものなのか……。
僅か一撃で見せつけられた差は、あまりにも大きく、まるで谷底に突き落とされたかのような気分に陥る。
「あなたは息をしない人なのかと思いました」
「何がだ?」
すると、手に持っていた扇子は魔法のように消え失せた。
やはり、インジェクション。
「私があなたを恐れていた理由。それは我々の敗因になる可能性があるから。その意味は知らなくていい。あなたは静かに朽ちていく。私の宣言通りに」
「だから何が──」
体に違和感が生じる。
何だ?これは?
「ここへ一人で来てくれたことを感謝します」
まさか……毒?
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