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戦闘において一番危険なのは、敵に主導権を握られてしまうこと。
相手の流れに乗ってしまったら、敗北を喫する流れを呼び込む可能性が高い。
主導権を握られているようで、罠でも張り巡らせてない限り。
または奇跡でも起きない限り。
頭脳戦において、最も有効なのは、敵に不安と迷いを抱かせること。
もし何々だったらのように。
「この中で握られている爆弾は、結界こそ破壊は出来ないものの、中から起爆させれば、あなた達のアジトの半分は消し飛ぶ威力を持っています。こちらの切り札なのですからね」
よし。上出来です。前にいる神と後ろに控える二人の動きが、警戒している様子を読み取れます。
待てよ……。DIMを握り締める手は、段々と汗ばんできた。
目先にいるのは扇子を持った長身の男。
この男が神のはず。
私は気配を探るのが、得意ですから。
能力を使われているなら、わからないかもしれませんが、部屋の中には一人しかいなかった。
だが、男はさっき。
『この部屋では、神と三国志以外は、能力を使用できません。いわば、メビウスの輪にとっては絶対的な空間』
と言いました。
注目すべきなのは、神と三国志の部分。もし自分が神だとしたら、自分の一人称を神と呼ぶでしょうか?
寧ろ、三国志の中に自分を含んでいるような言い方。
この男は神じゃない?
何てこった!
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