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その声に、曹操さんの動きがピタリと、止りました。
効果抜群ですね。私の嘘によって、見事に敵の動きが止まりました。
敵は、私が爆弾を握り込んでいると、完全に信じてきっている。
「迂闊に動かない方がいいです。この距離での爆発は処理が難しい」
扇子を持つ男は、そう言って曹操さんを説得しました。
お互い緊迫した空気で、押し潰されそうな重圧感が漂う中、私は扇子を持つ男に質問をした。
「あなたの名前は?神ではないですよね?」
男は巨大な扇子を、背中の後ろに隠すような姿勢を取り、答えを返す。
「神なわけがない。私は三国志の一人、孫権だ。例え正体がバレても、神を偽るような真似だけはするわけにいかない」
随分と神への想いが強いようですね。
私が曹操さんと戦わず、逃げ出したことから、十中八九、目標は神のみだとバレているはず。
それを理解した上での発言。
敵は、自分達のリスクより、神への失礼を選択した。
尊敬に値します。
孫権さんか。うちで言えば、ミラのように作戦参謀な役割のはず。
私は孫権さんに提案をした。
「孫権さん。あなたと二人でお話できませんか?」
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