天草の誤算

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私の言葉に、敵の瞳が一瞬だけ揺らいだ。 反応ありですね。 すぐに否定をしない。 即ち、迷いが生じた証拠。 敵に何かしらの弱みが、この場にあるって事ですね。 私は、ゆっくりそれを探ればいい。 「どうして答えないんですか?」 3秒の沈黙の後、私はもう一度揺さぶりをかけてみた。 「私と孫権さんとの二人で話したい。二人きりになれば、この爆弾からも手を放します」 おそらく可能性は低いが、後ろの二人がこの部屋から出て行ったとしても、入口は塞がれるはず。 そうなると……逃げ道は……。 壁際には、一つだけ丸い小窓があります。 残りの脱出口は、あそこしかないようですね。 とりあえずは、外に出なければ能力を使えないわけですし、勝率は0に等しい。 何とか、何とか出なければ。 孫権さんは、小さく、溜め息をもらすように笑ってから、口を開いた。 「そんな提案に乗るとでも?気付いてないんですか?マナーモードにしているDIMが震えてますよ?」 「――!」 え?
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