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■メビウスの輪 大聖堂
―――――孫権―――――
新撰組の柳生の始末を終えた私は、すぐさま奥の通路へ向かった。
空間ナビゲーションGPSは、広範囲で様々な情報を得る事が出来るが、一度、戦闘体勢に入ってしまうと、極端に能力の範囲が狭まってしまう。
つまり柳生と戦闘を行う事は、それなりにリスクがあった。
普段は500メートル把握できるはずが、戦闘中はこの大聖堂内で精一杯。
神層付近の監視が出来なくなってしまう。だからこその早期決着と交渉。
それなのに……。
『我輩は、仲間を裏切るなら地獄に突き落とされた方がマシだ』
あいつは死を選んだ。
危険だ。やはり新撰組は危険だ。
あんなのばかりなら、血の気が引く。まさか、自分の死を選ぶとは大きな誤算だった。
見せかけではなく、本当に自分を犠牲にした。
とにかく、周りの状況を把握しよう。
そろそろ、曹操が天草四郎の始末を終えたぐらいだろう。
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