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しかし、私は攻撃を避けるように見せかけて、小窓までの距離を縮めていました。
一気に後ろに下がり、小窓前まで到着する。
孫権さんは鬼の形相で、すぐさま私との距離を埋め、追撃の体勢に入った。
しかし、一瞬、私の方が早い。
私は肘で窓硝子を割った。
ガッシャーン!
高い音が鳴り響くと同時に、孫権さんは扇子を私に向け仰いだ。
毒に変えられた命力が風に流れ、私の体を通過していく。
タイミングが良いですね。
曹操さんと、見知らぬ女性が部屋に戻ってきました。
私は窓に飛びうつり、枠の中に足をつく。
窓を見るたびに、ヒカル。
あの謎の建物で出逢った、あなたの事を思い出しますよ。
外からの冷たい風が、私の頬に吹きつける。
孫権さんからの、次の攻撃が繰り出される間際、私は窓から飛び立った。
深い濃霧によって隠された戦場。
その濃霧を突き破る巨大なポセイドン。
部屋の外には、強力な結界が張られているのがわかります。
なるほど。まるで牢獄ですね。
能力を使えないのは、部屋の中のみでしたよね?
滞空してる間、後ろに視線を向けると、孫権さんも扇子を構えながら、窓から飛び立っていた。
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