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絶対に神だけは守らなければ。
チームのためでもあり、それだけが私にとっての使命なのだから。
私は神層に戻り、慌ただしく部屋に入った。
すぐに神を探すと、部屋の奥の椅子に、深く腰かけローブに身を任せるように静止していた。
よかった。何事もなくて。
能力を使っているわけだから、間違いなく安心できる状況だが、それでも目で見てこそ、本当に安堵できるものだ。
どうやら能力を使い、周りを観察している。
一応、形だけでも報告しておくか。
「すみません。ただいま戻りました。大聖堂にて、柳生十兵衛の抹殺を遂行しました。神層への道は、柳生にこそ悟られたものの、ほぼ間違いなく他の者に情報は漏れていません」
神は返事をせず、頷く仕草もしない。
私は報告を続けた。
「天草四郎がタワールートに単独で侵入し、現在、食い止めるために曹操と水神に追跡を……」
何かがおかしい。
これまでにない嫌な予感が突然襲いかかり、寒気が全身を駆け巡るように走った。
ゆっくりと神に近づく。
まさか。
やられた。
椅子に近づき、異常な事態に気がつく。
椅子に座るローブは藻抜けの殻だった。
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