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聞こえてますか?局長。
あなたの耳が日曜日でないことを、心から祈るばかりです。
「曹操。水神。一旦、外に出て下さい」
孫権さんは、静かな口調で後ろの二人に言い渡しました。
もう一人は、水神って名前なのですね。
四大元素か。三国志二人に加え、四大元素が一人には、さすがに通常の私でも勝てないでしょう。
危なかったです。しかも、この部屋ではなおさら。
ミジンコを潰すのと等しいくらい、簡単なことかもしれません。
扉が閉まる音と共に、この部屋から二つの気配が消える。
よそ見をすると、孫権さんが襲いかかってくる可能性もあるので、迂闊には視線を移動させられません。
「さて、話とは何ですか?」
孫権さんが、巨大な扇子で少しだけ自分を扇ぎました。
ピリリリリリリリリリ!
「――!」
私の手の中のDIMから、着信を知らせる音が奏でられる。
一体、何故?
パニックに陥った私は、手の平を広げ、DIMを確認した。
局長
何故?そうか。
私は重大なミスを、犯してしまいました。
通話ボタンを押して、慌てて耳に当てます。
(天草か!悪いな。報告を受けていたので、電話に出れなかった。お前も報告か?)
血の気が引いていくのが、全身でわかります。
孫権さんは、既に攻撃体勢に入っていた。
私がかけた電話は、局長が出られなかった。
そして、繋がらずに、画面は通常の待受画面へと戻ったわけですね。
やばいですぬううう。
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